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2007年09月06日
ー第五話ー
「こ、こ、こんにちわ・・・」
その部屋の扉をあけた瞬間
大きな歓声とどよめきにおそわれた
と、
ほぼ同時に、「皆さん、拍手を!」

壇上に立つ男性の合図で
おおよそ、100名程度であろうか
その場に居た人々から一斉に拍手を受けた
「よかった、よかった・・・」
人々は共に手を取り合い、微笑み合い
抱き合い、すすり泣く声
壇上の男性は、満面の笑顔と丁寧な口調で
「あなたに、“しせつ”を計画して頂きます。」と言い
軽く頭を下げた
この時初めて、私がここに招かれたことを悟った
とはいえ、何の概要も知らされずに
「“しせつ”を計画して欲しい」
と言われても、どう答えていいのやら・・・
それ以前に、私がどういう仕事の仕方をし
どういう建築を作る建築家なのか、この人達はわかっているのであろうか?
「あ、あのですね、、、」
「はい、全てわかっております。」
代表者と思える壇上の男性が、
私の言葉を遮るかのように、きっぱりと言葉にした
「ここに、来てくれたのはあなた‘だけ’です。それも、ちゃんと建築法令集を持ってきてくれましたし・・・」
「今、集まっている人々が“しせつ”の工事をします。
そして、私が図面を書きますので、ご心配なく。」
静かになった多くの人達に、再び目を遣る

どう見ても、建設業という“いでたち”には見えない
そして、代表の男性が図面を描くと言っていたが、、、
「大丈夫です。私達は“漢字”以外は問題ありませんから!」
その口調は穏やではあるが、自信と確信に満ちていた。
そして、やや心配そうに
「建築基準法の法令集を置いていって下さい。」と加えた
「さぁ、もう電車に乗らないと帰れなくなりますよ!」
扉の奥から、アナウンスが聞こえた
「本日の最終列車が出発します!お乗りのお客様はお急ぎ下さい!」
促されるように、私は扉を開け
今度は何も書かれていない、【あまり気にしなくていいです廊下】に出た
“建築基準法法令集”を彼に渡して・・・
ー次回につづくー
投稿者 mochizuki : 2007年09月06日 03:12